「交番勤務ってそんなに危ないの?」交番襲撃事件に学ぶ
平成30年9月のネットニュースを賑わす大事件といえばコレです。
宮城県警 仙台東署 仙台交番 警察官刺殺事件
https://mainichi.jp/articles/20180923/k00/00m/040/017000c
いやぁ、本当に怖い世の中になりました。
ここでは、仙台交番警察官刺殺事件から、交番勤務の危険度について解説していきましょう。
スポンサーリンク
1 交番勤務で暴漢に襲われる確率
誰だって「死ぬかもしれない」と思うような仕事はしたくありません。
そんなことは当たり前です。
でも、警察官をやっていると、何度か「あ、これは危ない感じだなぁ」という場面に何度か出会います。
で、それが今回は「交番勤務中に暴漢に襲われる」というパターンなわけです。
非常に稀なパターンなので、ちょっと確率を計算してみました。
警察庁の広報資料によると、全国にある交番の数は約6,600ヶ所。
当然、365日休まず営業(?)しているわけですが「交番が襲撃された」なんて事件は年に一件あるかないか。
(もしかすると、今後は模倣犯などが増えるおそれがあります)
すると、6,600ヶ所×365日=240万9,000分の1の確率になります。
さらに、交番勤務は基本的に三交代制(当直・非直・労休)なので、勤務は3日に一回だけ。
すると、交番勤務で暴漢に襲われる確率は、なんと722万7,000分の1になります。
ジャンボ宝くじで一等前後賞合わせて当選する確率よりもはるかに低いのですから、滅多に起こるものではありません。
これから警察官になりたいとお考えのみなさん、ご安心を!
2 不意の襲撃、これは防げたのか?
警察官になるためには、ご存知のとおり警察学校に入校して一定期間の訓練を受けることになります。
ここで、柔道・剣道・逮捕術・体育による基礎体力作りをおこなうわけですが、特に不意の襲撃などに対する訓練としては逮捕術が有効だと感じます。
本音をいってしまえば、逮捕術をある程度使うことができれば、そのへんの暴れん坊とケンカしても負けることはありません。
相手が格闘家とかでもない限り、1対1の肉弾戦は警察官が圧倒的に有利です。
実際、私は警察官を退職して、別の仕事をしながらの現在まで、暴れている人と何度か対峙する場面に遭遇してきましたが、一度たりとも負けていません。
すべて、圧倒的に制圧してきました。
一発をもらったとしても、完全に力で押し切ることができます。
それくらい、逮捕術で学んだ格闘技術は実戦に即しているのです。
ただし、不意の一撃があまりにも重たかった場合はどうにもならないかもしれません。
今回の事件は、犯人が刃物を使用して警察官を刺殺しています。
不意の一撃が運動機能を奪うほどのものであれば、やはり負けてしまうのは仕方ありません。
マンガなら「腕の一本くらいくれてやる!」で反撃できるのかもしれませんが、刃物で刺された後は痛みで全力なんて出せるはずはありません。
オムニ社のロボコップであれば、そんなことはないのでしょうが…
スポンサーリンク
3 訓練を怠らないことで危険は回避できる!
警察官採用試験に合格し、警察学校を卒業し、晴れて第一線の警察署に配属された後でも、定期的な逮捕術訓練を繰り返すことになります。
今後は今回の事件を教訓に、交番で来客対応中に襲われた場合の制圧方法も訓練に加わることでしょう。
こういった想定訓練は、とかく軽視しがちですが、反復することによって身体が動作を記憶し、反射で対応できるようになるものです。
今回のような事件が発生していても、なお警察官を志望する方がいることを大変嬉しく思います。
警察官の最大の不祥事は「殉職」ですから、自らを盾に危険を省みないことも立派ですが、まずは大切な自分の生命を守るためのスキルを手に入れることに専念しましょう。
スポンサーリンク