借金があると警察官になれない?破産・債務整理は関係あるの?
警察官を目指していると、色々なことが気がかりになります。
その中でも、実は多くの人が気になっている問題が『借金』です。
どこからか分からない情報ですが、
- 借金があると警察官になれない
- サラ金の利用履歴があると不合格になる
- 自己破産したことも全てお見通し…
なんて話がきになっていませんか?
今回は、実はビクビクしている人が多い
「借金があると警察官になれないの?」
という疑問にお答えします。
【 目次 】
- 借金・破産・債務整理と警察官採用は関係がない!
- 警察は国民の口座や借金をのぞき見できる?
- 過去の破産歴・債務整理歴もわからない!
- 「破産者名簿に載る」って聞いたことがあるんだけど…?
- 本当の『破産者』は警察官になれない!
- 借金や破産は問題ではないが…
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借金・破産・債務整理と警察官採用は関係がない!
まずはお話をスムーズに、そして安心して聞いていただくために、結論を先にお伝えしておきましょう。
これらは、すべて警察官採用試験の合否にはなんの影響もありません。
ご安心ください。
ウワサに惑わされちゃダメですよ!
警察は国民の口座や借金をのぞき見できる?
よく「警察は口座の情報や借金をすべてのぞき見できる」と思っている人がいます。
ええ、たしかにそんな情報を知ることはできますよ。
ただし、それは『捜査関係事項照会書』に基づいて…のお話です。
捜査関係事項照会書とは、刑事訴訟法という法令に従って、警察が事件の捜査に必要な限り、必要な情報の開示を求める書類です。
わかりやすい表現にたとえれば『開示請求書』みたいなもの。
いいですか?
「事件の捜査に必要な限り」です。
警察官の採用は『事件』だといえるでしょうか?
違いますよね。
捜査関係事項照会書は、採用の合否を決めるために使うことなんて許されません。
もしそんなことを平然とやっているとすれば、間違いなく銀行や信販会社、消費者金融の顧問弁護士から「違法だ!」と叩かれてしまいます。
それを警察の圧力で潰して…なんてバカげたことはありません。
そうすればするほど、その事実は公表されて世の中の知るところとなるのです。
警察官がパソコンをパタパタパタっと叩けば「ピコーン」と口座データが一気にでてくる…
なんて刑事ドラマの中だけのおとぎ話。
みなさんが思っているみたいに、警察が自由にデータを入手できるわけではありません。
だから、採用試験を受けている人の口座情報や借金の情報なんてまずわからないし、警察が持っている権限を利用してまで調べようともしません。
警察が知ることのできる情報には限りがあるってことです
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過去の破産歴・債務整理歴もわからない!
破産や債務整理の履歴はどこが保管しているかわかりますか?
答えは『裁判所』です。
では、警察なら裁判所にちょっとお願いすれば履歴なんてカンタンに入手できるのかというと…
入手できません。
はっきりいって「裁判所のほうが立場が強い」ので、警察からそんなお願いをしても調べられません。
破産歴の有無や債務整理の有無は、その気になれば『官報』に掲載されているため、別に警察じゃなくても誰にでも調べることができます。
でも、膨大な量の官報を手探りで調べることになるので、そんな手間がかかることもしません。
警察官採用試験を受験するにあたって「破産したことがあるか?」とか「債務整理をしたことがあるか?」なんて、問題になりません。
そんな調査ができるほど採用担当者もヒマじゃありませんよ
「破産者名簿に載る」って聞いたことがあるんだけど…?
「破産歴があっても問題にはなりませんよ」と聞いても、まだ不安がある人もいるでしょう。
だって、よく言うじゃありませんか。
「破産をすると『破産者名簿』に名前が載る」
って。
結論をいうと、これも関係がありません。
『破産者』とは、裁判所で申立てが受理されて「破産手続きを開始しました」という状態から、破産手続きを終えて「財産の整理が終わったので、借金については返済義務がなくなりましたよ」という状態になるまでの間を指します。
この「財産の整理が終わったので、借金については返済義務がなくなりました」を法的には「免責を受ける」といいますが、免責された時点で破産者ではありません。
ところが、まれにこの『免責』を得られない結果になる人がいます。
そうすると、破産状態が終了しません。
この場合、お住まいの市区町村の役場に備え付けてある破産者名簿に名前が載ることになります。
ということは、過去に自己破産をして「借金が帳消しになった」という方は、破産者ではないし破産者名簿にも名前が載っていないわけです。
「破産した経験がある人」=「破産者」ではないんですね
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本当の『破産者』は警察官になれない!
『破産』の意味を説明しましたが、ではここで説明したとおり法的に『破産者』だという人はどうなるのでしょうか?
実は、破産者は警察官になれません。
警察官だけでなく、破産者は公務員になれないのです。
破産者には職業制限が課せられます。
公務員のほか、警備員、保険外交員など、一定の職に就くことができなくなります。
この状態では、採用の条件から外れてしまいます。
採用試験に合格すると採用に関して必要な書類の中にこんなものがあります。
・破産者ではない証明
破産者ではない証明は、市区町村の役場が発行する『身分証明書』を指します。
警察官の採用は、 せっかく採用試験にパスしても原則的には「採用者名簿に掲載されるだけ」で、必ずしも採用されるわけではありません。
身分証明書の提出など、最終的な関門をパスすることで採用されるのです。
破産手続き中の場合、苦労して採用試験に合格しても「採用条件を満たさないため不採用」という悲話が起きてしまいます。
まずは破産に関する問題をキレイに解決してから受験するほうが利口でしょう。
不安を残して受験に取り組んでも集中できませんからね。もし不安なら弁護士に相談しましょう
借金や破産は問題ではないが…
警察官採用試験の合否には、借金や破産などは関係しません。
しかし、警察組織は『身上把握』が重視されます。
警察官になると「清廉にして堅実な生活態度を保持すること」という義務が課せられるのです。
生活態度などに異常があればすぐに察知されてしまい、隠し通すことなんてできません。
警察官を目指すうえで、まずは生活基盤をしっかりと整えておきましょう。
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