警察官採用試験に独学で合格するぞ!パート2【面接編】
警察官採用試験にチャレンジしている方の中には、現役の学生さんではなかったり、公務員専門学校には通っていないという方も多いようです。
『独学』で採用試験に立ち向かうことは、とても孤独で、勇気がいるもの。
私もその一人でしたから、みなさんの気持ちはとてもよくわかります。
そこで今回は、警察官採用試験を独学で攻略しようとしている方々のために、私が経験した警察官採用試験の面接について徹底解説します。
「面接試験ってなにを聞かれるの?」と不安に感じている方は必見ですよ!
今回の内容はこんな感じです
- 採用試験の面接の流れ
- 面接試験のウエイトは重たい!
- 二次試験不合格者は必見!なぜ落とされたのか?
- 面接試験の実話…
- 今からでもできる!日頃の面接対策
※今回の記事は「個人面接」のみをターゲットに紹介します。集団討論については、また別の記事で取り上げていきます。
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1.警察官採用試験の面接の流れ
警察官採用試験の一次試験に見事!合格した方には、次の選考として『二次試験』が待っています。
その二次試験の中でも特に大切なのが個人の面接試験でしょう。
面接試験は、都道府県の運用によって差がありますが、概ね30分程度の時間が設けられています。
これは想像以上に「長い!」と感じる方も多いでしょう。
面接試験がおこなわれる日は、同じ会場で『集団討論』の試験も並行しておこなわれるため、受験者をグループ分けしています。
- 個人面接が先のグループ
- 集団討論が先のグループ
どちらのグループになっても、有利・不利はありません。
ただし「気合いを入れて個人面接に臨みたい」という方なら、集団討論で気持ちをほぐしてから個人面接に臨んだほうが良い結果を生みやすいかもしれませんね。
面接会場では、待合室が設けられて進行順に係員が「では番号◯番から◯番までの人、面接室の前で待機してください」と案内してくれます。
スムーズな進行のため…という感じですが、変な緊張感を高めてくれるので気負けしてしまいそうですね。
面接室では、面接官5人くらいを相手に対応することになります。
この5人くらいとは、大体が
- 警務部の採用担当者(2人くらい)
- 警察本部の偉い人(たぶん、都道府県の部長クラス)
- 警察学校長
- 警察学校の教官
という内訳です。
真ん中が一番偉い人、そこを中心にどちらかが採用担当者2人、どちらかが警察学校長と教官という具合ですね。
5対1の面接なんて珍しくもない…かもしれませんが、警察本部の偉い人と警察学校の人が放つプレッシャーはかなりのものです。
「合格させないことを前提にしている」かのようなキツイ質問責めをくらうこともしばしば…
だいたい、警察本部で偉い人になるまでにはかなりの現場経験もしているし、警察学校長や教官もつい最近まで現場で仕事をしていた人たちばかり。
しかも、警察組織の中でのし上がる人には刑事出身が多いので、面接室の中はまるで刑事の取調べのような雰囲気になります。
しかし、これは演出です。
面接官は決して敵ではなく、むしろこれから自分たちの味方になる人物を選考しようとしている立場。
おそれず、ひるまず、堂々と対応しましょう。
2.あなどるな!面接試験のウエイトは重たい!
各試験項目の配点を公開している都道府県が多いのですが、共通していえるのは「面接試験のウエイトは重たい」ということです。
一次試験の自己採点の結果が「ちょっと危ないかなぁ…」と感じていながら、なんとか合格して二次試験に進んだという方なら、面接試験はほかの受験生に大きくリードするくらいの勢いが必要になります。
二次試験には、面接試験のほか、集団討論や体力検査、適性検査などの項目があります。
体力検査では、バリバリに腕立て伏せの回数をこなしたり、シャトルランを完走したりという受験生が目立ちますが、実は体力検査のウエイトはそんなに重たくはありません。
試験対策として体力検査に力を入れる人もいますが、体力検査は欠点になってしまわないように「ふつうにできる」という程度でも十分です。
とくに、これまで二次試験で不合格になった経験がある方は、おそらく面接の点数が低かったのだと予想されます。
3.なぜ不合格?面接試験で不合格になる理由を考えてみよう!
これまでに二次試験で不合格になったことがある方は、まず間違いなく「面接試験のできが悪かった」のだと考えられます。
ちょっと理解に苦しむかもしれませんが、もしこれまでに不合格になったことがある方なら、面接試験で不合格にされてしまう理由を研究しておく必要があるでしょう。
面接で不合格の理由① 警察官らしくない
警察官採用試験の面接ですから、いかにも頼りがいがなさそうな、覇気のない人は不合格になります。
そんな人じゃ、警察官になっても市民を守ることなんてできませんからね。
動作は折り目正しく機敏に、挨拶や返事は大きな声でハキハキと!
ごく当然のことですが、恥ずかしがっていたり、緊張して萎縮していたりすると、モジモジとした態度や口調になってしまいます。
警察官たるもの、どんな場面でも毅然と対応できないといけません。
たとえ初対面でも、たとえ面接官を相手にしているときのように「目上だ」と思われる相手に対してでも、常に自分の考えをハッキリと述べる姿勢が問われるのです。
面接で不合格の理由② 別に警察官じゃなくてもよさそう
就職活動において、第一志望オンリーで攻めていくのはとても危険な行為です。
自分の身分が『新卒』であるチャンスは、高卒・大卒のたった2回だけ。
だから、どんなに「警察官になりたい!」と思っていても、第二志望、第三志望まで見据えて就職先を確保しようとするのは当然です。
そんなことは面接官も重々わかっています。
でも「今回の試験が不合格になったとしても、ほかのところで合格がもらえればそちらにいきます」なんてことを堂々と言い切ってしまうのはNGです。
たとえウソだとしても
- 今年がダメでも、来年もまたチャレンジします!
- 今年で合格を決めるつもりできたので、ほかの就職先などは考えていません!
と言い切ってしまいましょう。
ただし「キミは後先を考えない人間なの?」という意地悪な質問をしてくる面接官がいるかもしれません。
そこは「それくらいの意気で今の面接に臨んでいます!退路のことを考えず現状に立ち向かうのが私のポリシーです!」などと上手く回避してください。
実際のところ、面接で「実は市役所の試験と並行していて、市役所が第一志望です」と言い切って合格した人もいます。
これは「ハッキリとした意思と切り返しが備わっていた」ことを高評価されたのでしょう。
なお、その人は市役所が不合格となり、晴れて警察官になったのでした。
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4.実際の面接試験の模様【筆者体験】
さて、ここまでは警察官採用試験の面接試験について、いろいろと理屈をこねて説明してきました。
ここで、筆者が体験した本気の面接試験の様子を紹介します。
筆者は
- 高卒
- 大卒
の両方で合格した経験があるので、両方を紹介していきましょう!
高卒の試験…なぜかNG回答をしても合格!
面接試験の前日まで、高校の進路指導室で面接の練習を繰り返していた私。
「だいたい、どんな質問がきてもOK!」と余裕を持って臨みました。
面接官はどの方も割と穏やかで、もしかすると「高校生程度にはあまり厳しいことを言われないものかな?」と甘くみていました。
そこに、想定外の質問が飛び込んできます。
「いきたい部署はわかったけど、じゃあ逆に『いきたくない部署』ってありますか?」
これは想定外でしたね。
そんな後ろ向きな質問が投げかけられるだなんて嘘の答えも用意していませんでした。
そこで動転した私は、言葉のオブラートを捨て去って
「はい!機動隊には行きたくありません!」
と元気に答えてしまいました…
面接官は逃してくれません。
「ふむ…じゃあなぜ機動隊には行きたくないんだい?」
もう墓穴を掘って動転している私の口は止まりません。
「た、た、体力に自信がないからです!」
後ろ向きな回答をしたうえに、さらに後ろ向きな回答を重ねてしまい、印象の自己採点は最悪です。
さすが、歴戦の面接官はそつない回答を続けても予想外の質問を投げかけてくるので要注意!
放心状態で面接試験を終えましたが、結果は見事に合格!
採点結果の詳細を知ることはできませんでしたが、回答した内容はともかくとして自信満々に「自信がない!」と答えた勢いが合格の要因だったのでしょう。
なお、このときは採用試験にも合格しましたが、第一志望の大学にも合格したので、大学に進学しました。
最終合格を得ると、合格者は都道府県の『名簿』に登載されます。
この名簿の中から採用されるため、一応は「合格しても採用されないことがあります」という注釈を受けますが、名簿に登載されたのに採用されなかったという話は聞いたことがないので心配無用です。
名簿に登載された人には「次の4月の採用で警察学校に入校してもらうけど、受け入れますか?」というお伺いの連絡がきます。
ここで「はい、ぜひ!」と回答すれば、めでたく採用です。
つまり私はここで「大学に進学するので辞退させていただきます」とお断りをしたわけですね。
はい。
こういった選択肢があるため、あらかじめ合格者は少し多めにしていると採用担当者から聞いたことがあります。
大卒7年目…まさかのラストバッター面接!
大学卒業から7年が過ぎていたころ。
当時、私は仕事が忙しいことで有名な某運送会社の社員でした。
しかも、若輩ながら10人1グループの班を任されていた立場で、なんとか休みをねじ込んで採用試験に向かう…といった状態でした。
3度目の正直で一次試験をパスして臨んだ二次試験。
背水の陣のつもりで試験会場に向かうと、その日の面接のローテーション表を見てがく然としました。
個人面接、ラストバッターじゃん!
およそ200人程度の二次試験の受験者の中でも、なぜ自分が個人面接のラストを飾ることになったのか…
もしかして、一次試験の成績がものすごく悪かったのでは?
などと辛い予想が頭の中でグルグルしていました。
受験生の控え室では、1人、また1人と試験を終えた人たちが会場を去っていきます。
なにせ1人あたり30分近い個人面接をしているのですから、時間がどんどん遅くなっていきます。
午後5時を超えたころ、控え室には私のほか、残り3人程度しか残っていませんでした。
ここで、採用担当のTさんが話しかけてくれたのです。
Tさん「最後って、めちゃくちゃ緊張するよな。」
私 「本当に…早く楽になりたいです」
Tさん「まあ、最後だと面接してる偉い人たちも疲れてきてるだろうし、楽なんじゃない?」
私 「そのほうが助かります!」
そんな雑談をしていると前の受験生が面接を終えて控え室に戻ってきました。
ここで事件が起きます。
「バタン!」
なんと、帰ってきた受験生がその場で倒れてしまったのです。
Tさんが「大丈夫か!?」と駆け寄ったところ、その受験生はこう答えたのでした。
「あんなに厳しい面接を受けたのは初めてです…」
どうやら彼は『圧迫面接』を受けたようでした。
圧迫面接とは、厳しい質問を投げかけて、その回答にも厳しいツッコミを入れられて、とにかく会話に逃げ場のないハイプレッシャーな面接のことです。
警察官採用試験の個人面接では、ほぼ五分五分くらいの確率で圧迫面接に当たります。
これも後日談で聞いたのですが、面接を始める前に面接官同士で「じゃあ、次は圧迫でいきますか」とか「次はソフトにいきましょう」などと申し合わせをするそうです。
そんなことを知らなかった当日の私は、とてつもない緊張感にトドメを刺されてしまいました。
面接を終えた受験生が倒れるなんて、いったい面接室ではなにが起きているんだろうか…
Tさんが「キミはなんとなく大丈夫そうだから、気にせずいってこい!」なんて励ましてくれましたが、まったく耳に入りません。
コンコン…
さあ、面接室に入りました。
想像どおりのハイプレッシャーな質問!
このときは面接官が5人だったので、それぞれA〜Eと番号を振って当時の面接を再現してみましょう。
なお、A〜Eの割り振りは次のとおりです。
Aさん:警務部長という偉い人
Bさん:採用担当の偉い人
Cさん:採用担当のあんまり偉くない人
Dさん:警察学校長
Eさん:警察学校の教官
〜以下、問答形式でお送りします〜
Cさん「まず、氏名と受験番号をいってください」
私 「はい、氏名はKちゃん、受験番号は◯◯◯番です」
※実際はちゃんと氏名をいいました。
Bさん「じゃあ、まず志望動機を聞きたいんだけどね、キミ、もう受験は3度目だよね?」
私 「はい、恥ずかしながら、過去2年は一次試験で不合格になっています」
Bさん「うんうん、つまり過去2年は勉強不足だったってこと?」
私 「はい、そうとしか答えようがありません」
Bさん「ふーん、その程度なの?で、なんでそうまでして警察官になりたいの?」
私 「はい、警察官になることは、幼い頃からの夢であり具体的な目標でもありました。会社に入り、社会人経験を積みながらもやはり夢を捨てきれずにチャレンジしています」
Bさん「それなのに、過去2年は勉強不足って…それって中途半端なんじゃないの?」
私 「はい、過去2年は勉強法が悪かったので、今年はそれを改善したところ、一次試験を突破できました。ここまでは成功していると感じています」
Aさん「キミは警察官になったら困っている人を身を呈してでも助ける自身はあるかい?」
私 「はい、もちろんです!」
Aさん「それは当然だよね…じゃあ、今日この後、帰りに立ち寄ったコンビニで目の前で強盗が発生したとすれば、どう対応するの?」
私 「もちろん、身を呈してでも強盗を捕まえます!」
Aさん「そうなの?怖いでしょ?だってキミはまだ警察官じゃないんだよ?仕事でもないし給料がもらえるわけでもないのに、わざわざそんな正義漢みたいなことする必要あるの?嘘くさいなぁ…」
私 「たしかに怖いですが、警察官採用試験を受験している以上は警察官と同じ立場で行動をするべきだと思います」
Aさん「いやいや、あんたナニサマだい?なんの権限もないのに、そんなことされても迷惑だよ。自分で解決できなかったらどうするのさ?」
私 「はい、そのときは110番通報します!」
※Aさん、非常に困った顔をする…
Dさん「警察学校ってすごく厳しいところだけど、ついてこれる?」
私 「はい、警察官になるためなら厳しい訓練でも耐え抜いてみせます!」
Dさん「みんなそういうから採用するのに、必ず脱落者が出るんだよね…ホントに大丈夫なの?採用して警察学校で辞められちゃうと税金のムダ遣いになるし、その程度の覚悟なら辞退してもらったほうがいいんだけど?」
私 「いいえ、採用していただければ、絶対に耐え抜いてみせます!」
Eさん「1日に10kmは走ることになるし、毎日柔道・剣道や逮捕術の稽古があって、ハッキリいってものすごくキツイぞ?本当に大丈夫か?」
私 「はい、厳しいものだとは思いますが、歯を食いしばってでも耐えてみせます!」
Eさん「ふむふむ…」
〜面接終了〜
こんな感じで、A・B・Dの3人は圧迫型、C・Eは事務的…といった印象でした。
どちらかといえば圧迫型の面接だったといえるでしょう。
5.これからできる「独学でできる面接対策」
実際の問答をみていただければわかるはずですが、私は必ずすべての質問に対して「はい」という返事から回答を始めました。
この「はい」という返事の一呼吸はとても大切です。
面接官に対してハキハキとした印象を持ってもらうだけでなく、ワンテンポの『考える時間』を稼ぐことができます。
また、これは基本中の基本ですが、複数の面接官のうち、会話をしている1人のほうに身体を向けること!
顔・首だけでなく、お尻からヒザの向きを変えて、会話をしている1人のみに正対しましょう。
このキビキビとした動きは、面接官に対して非常に好印象を与えます。
警察官は、階級の昇任試験でも必ず面接試験がありますが、ここでも「身体を向ける」というのは基本動作になります。
採用試験の段階でこれを実践できれば「お!コイツはちゃんとできてるぞ」と感じてもらえるでしょうね。
まず日頃から
- 目上の人と話すときには「はい」という返事から会話を始める
- イスに座った姿勢から、正面・右斜め・右斜め奥・左斜め・左斜め奥に正対する動きを練習する
という2点を練習してみましょう。
また、日頃から座り姿勢で
- 胸を張る
- アゴを引く
- ヒジをはってこぶしを軽くにぎりヒザの上におく
- ヒザはこぶし1個分あける
- 左右の歩幅は自然に、つま先は話している人の方へ
という基本姿勢をつくる練習もしておきましょう。
頭ではわかっていても、いざ、緊張して頭の中が真っ白になってしまう場に臨めば、ちゃんとできていたのかさえ覚えていないもの。
そこでモノをいうのは「身体に染み付いた反射」ですから、ちょっとした空き時間を活用して練習をかさねておくべきです。
面接のガイドブックなどをみると、よく出る質問の一問一答などが紹介されています。
これらの一問一答をみて、頭の中で考えるだけではNG!
必ず小声でも声に出すことを心がけてみましょう。
採用試験だけでなく階級の昇任試験の面接試験をかさねてきた私の経験からいって、声に出す練習をしていないとどんなに頭に入っていてもスムーズに口からは出てきません。
これは絶対です。
どんなに「自分はペラペラと話すことができる」と思っていても、面接官は本物の取調べを重ねてきた歴戦の警察官です。
ごまかしても本当の自分を見透かされてしまうので、自分らしさを全力で表現できるように日頃から反射訓練をかさねておきましょう。
6.独学だけで面接試験をパスするぞ!
警察官採用試験の勉強は、独学だけでも十分に対応できます。
この理屈は学科の一次試験も、面接メインの二次試験も同じ。
むしろ、日頃の人間性を前面に押し出すだけで済むのだから、二次試験の勉強・練習のほうが楽です。
面接試験の一番怖いところは「どんなことを聞かれるんだろう」とか「どんな雰囲気なんだろう」という疑問が膨らんで不安になってしまうことです。
そういう意味では、ここで疑問の多くを解消してしまったみなさんはほかの受験生よりも「一歩リードしている」といえるでしょうね。
面接試験の不安を取り払うことができれば、あとは一次試験の勉強に集中するのみ!
まずは一次試験を突破できるように準備をかさねながら、空いた時間で面接に向けた練習をしていきましょう。
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