ブログをはじめ、私のTwitterアカウントにもたくさんの「警察官になりたい!」という方からの質問をいただくようになりました。
できるだけ的確に回答を差し上げるようにしているので、疑問などがあればぜひ投げかけていただきたいですね。
どこかの公務員専門学校のチューターよりも事実に則した回答をお返しできますよ。
先日、TwitterのDMでこんな質問をいただきました。
高校生のころ、友だちと一緒になって道端に放置されていた自転車に乗っていたところ、警察官に見つかってしまい、警察署でいろいろな書類を書かされました。
これって「捕まった」ってことですか?
もう警察官を受験しても不合格になるの確定ですか?
たしかに、こんなお悩みを持っている方は大勢いるようですね。
では、みなさんのお悩みにまとめて回答してしまいましょう!
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前科があると警察官にはなれない?
どこのサイトをみてもまるで本当のことかのように「前科があると警察官になれない」と書いていますが、果たして本当でしょうか?
まず結論を言ってしまいますね。
答えは『NO』です!
警察に事件の犯人として取り扱われた経歴がある人でも、警察官になることは可能です。
「警察官になりたい!」と希望していたのに、窃盗・横領・暴行などの事件で犯人として取り扱われてしまった。
これで将来の夢は途絶えた…
なんてあきらめるのは実にもったいない話です。
前科ってなんだ?
みなさん、警察に捕まったら「すべて情報が管理されてしまう」と思っていませんか?
まあ間違いではありませんよ、それは。
でも、なんでもかんでもひっくるめて「前科がついてしまった」と嘆くのはちょっと間違っていますね。
よく『前科』っていうフレーズが出てきますが、これってなんのことを指すのか知っていますか?
前科とは、犯罪に対して裁判所が決定した『刑罰』のことを指しています。
もう一度いいます。
前科とは「刑罰を受けた経歴」です。
なぜわざわざ『刑罰』を強調するのか…
ここがポイントですよ。
未成年の犯罪は『前科』にならない!
未成年、つまり19歳以下の少年が犯した罪は、刑罰に処することができません。
罪を犯した19歳以下の少年は、基本的には家庭裁判所の判断で処分が下されるだけで、刑罰に処されることはないのです。
一部、殺人などの凶悪な犯罪では『逆送』といって検察官が起訴する対象になることがありますが、家庭裁判所の処分は『前科』にはなりません。
ということは、スーパーやコンビニで万引きをして窃盗犯として捕まったり、放置自転車に乗っていて占有離脱物横領で捕まったり、友だちとケンカして暴行犯になってしまったとしても、前科はついていないのです。
犯罪経歴は残る!
未成年の犯罪には基本的には前科がつきません。
ただし、警察の記録である『犯罪経歴』は残ります。
犯罪経歴には、いつ、どこの警察署の管内で、どんな罪を犯して、どのような刑罰・処分を受けたのかが記録されています。
「警察に記録された」というのは、おおむねこの『犯罪経歴』のことを指しているのでしょう。
ん?
まだまだ安心できなさそうな流れですね…
前科があっても警察官になった人はいる!
いくら「それって前科じゃないよ」といわれたところで、悪いことをして捕まった経歴があれば警察官になんてなれないんじゃないのか?と思うでしょうね。
ところが、未成年のときの処分どころか、成人してから罪を犯して前科がついたのに警察官になった人は実際にいます。
「ウソをつくな!」
なんて言わないでくださいね。
だって、私自身、実は警察官になる前にある罪を犯して前科がついていたのですから。
そうです。
「前科があっても警察官になった人」とは、何を隠そう私自身なのです。
いったい、なにをやらかしてしまったのか…
そこはとてもセンシティブな内容なので秘密とさせていただきますが、バッチリ罰金刑を受けてしまいました。
実は「前科があると警察官になれない」というウワサはとても気になっていたのですが、私自身の夢だったので、そんなことは関係ない!とチャレンジを続けたのです。
どうですか?
勇気がでてきたんじゃないですか?
成人してマジの前科がついていたのに警察官に合格した私がいうのですから、きっと未成年のあなたが家庭裁判所から処分を下されたり、そこまでいかなくても警察の犯罪経歴に記録されたりしていることなんて、大したことじゃありませんよ。
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補導歴があるとマイナスになる?
前科だとかまで大げさな話じゃなくても、中には「補導されたことがあるんだけど、やっぱり試験ではマイナスになりますか?」という質問をいただくことがあります。
深夜徘徊、飲酒、喫煙…
警察官に補導されると、学校や親に連絡されたり警察署で書類を書かされたりして、なにかと面倒ですよね。
そして、なによりも気になるのが「採用試験にマイナスなのでは?」ということ。
補導された経験があると、採用試験で減点対象になるのでしょうか?
補導歴は記録されていない!
よく『補導歴』なんていいますが、実は補導に関して警察は記録を管理していません。
パソコンをピピっと叩くと「この人はいつどこで補導されたことがあります」なんて記録が出てくるわけではないのです。
少年を補導した警察官は『少年補導票』という書類を作成します。
この書類、実は紙ベースで保管されるだけで、データとして永久保存されるわけではないんです。
だから、補導されたことがあったとしても、採用試験の合格者を考査しているときに「こいつは補導された経験があるな…」と指摘されることはありません。
しかも、紙ベースでの保管ですから、一定の年数が経てば廃棄されます。
一部、少年補導を管理する生活安全課の熱心な警察官がデータ管理することがありますが、その情報は警察組織内での共有データではありません。
その警察官が業務の参考にするためにデータベース化するだけで、採用試験の評価に使われることは一切ないのです。
「補導されたから警察官にはなれない!」なんて嘆く必要はまったくありません。
ただし、繰り返し補導されるような環境や素行だと、いずれは犯罪に巻き込まれてしまうおそれは大です。
できる限り、補導されるような行動は慎みたいですね。
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前科があっても大丈夫…でも「得点が同じ」なら?
私は、前科があっても警察官採用試験に合格して、警察官になりました。
私自身の経験が「前科があっても警察官になれる!」と言い切ることができる何よりの証拠です。
ただし、採用試験において「まったく関係ない」のかといわれれば、おそらくその答えも「NO」です。
警察官採用の条件には「前科・前歴がないこと」という項目は掲げられていません。
ということは、前科・前歴があることは採用の可否においては不問だということになります。
とはいえ「前科・前歴は無視します」とも書かれていません。
前科・前歴のデータは警察でカンタンに調べられるので、採用試験の個人データには間違いなく含まれています。
もしかすると、前科・前歴がある場合は総合の評点においていく分かの減点を受けているのかもしれません。
ということは、最終的な選考の時点で、もしまったく同点の2人を比べたときに片方だけ前科・前歴があれば…
やはりそんな経歴がないほうを採用するでしょうね。
ですから、もし成人して前科がついてしまった人や、未成年のころに家庭裁判所から処分を受けたことがあるという人は、採用試験で「減点に負けない高得点」をたたき出す必要があると心得ておきましょう。
実際に私が合格したときに使った参考書を紹介します。
採用試験では面接のウェイトが重いので、面接対策もしっかりと!
前科・前歴・補導歴があってもチャレンジを続けるべし!
思わぬカミングアウトをしてしまいましたが、私自身の経験を聞けば「前科があっても警察官になれるんじゃん!」と希望をもっていただけたのではないでしょうか。
警察官採用試験は「これまではどんな人物だったのか?」を見極める試験である以上に「これから市民のために役立つ警察官になれるのか?」を評価する場です。
もし、あなたに前科・前歴・補導歴があったとしても、それを補って余りある点数をたたき出して「これから役にたつぞ!採用しないと損するぞ!」とアピールすれば良いのです。
前科があっても警察官にはなれます!
実際に前科持ちでも合格した私が断言します。
前科・家庭裁判所から処分・補導歴がある方も、あきらめずにどんどんチャレンジしてください!
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